FXのテクニカル分析ってどうやるの?
どんな手法が効果的なの?
FXのテクニカル分析は、どんな手法が効果的なのか。どうやれば勝てるようになるのか、お悩みのあなた。
実はFXのテクニカル分析には、勝率をグンッと上げられる5つのコツがある。
特に初心者の場合は、5つのコツを駆使することでテクニカル分析の可能性を最大限に高められるだろう。
この記事では、テクニカル分析初心者に合わせ、基礎から具体的な手法までゼロから詳しく解説している。
最後まで読めば、初心者のあなたでもテクニカル分析をうまく使いこなすポイントを抑えることができるだろう。
FXの裁量トレードにはテクニカル分析の知識は必須だ。
FX初心者はまずはテクニカル分析に関する本を一冊買って、みっちり勉強することをオススメする。
1. テクニカル分析は過去から未来を読む技術
テクニカル分析とは、過去のパターンから先の値動きを読む分析方法だ。
一方で経済指標や大きな出来事による値動きの変動を読む分析はファンダメンタルズ分析と呼ばれる。
そのため経済に詳しくない人であっても、チャートの分析方法さえ勉強すれば勝てるようになる。
そのため世界的な変化が起きたり、指標などの発表が行われるとトレードができなくなる。
2.テクニカル分析をする上で知っておきたい基本用語4つ
- 順張り
- 逆張り
- トレンド系
- オシレーター系
テクニカル分析をする上で知っておくべき基本的な用語を4つ紹介する。
4つの基礎用語は、テクニカル分析を学ぶ上でハズせない項目になるので、詳しく理解しておこう。
基礎用語1:順張り
順張りとはトレンドの方向に合わせてポジションを注文することだ。
上昇トレンドなら買い注文、下降トレンドなら売り注文をするのが順張りだ。
テクニカル分析ではトレンドに合わせてトレードする際に、「順張りをする」といった言葉がよく使われる。
これからテクニカル分析を学ぶ際に何度も出てくる用語なのでこの2つは覚えておく必要がある。
基礎用語2:逆張り
一方で、逆張りとは、トレンド方向と逆方向に注文を入れることを指す。
上昇トレンドの時に売り注文をしたり、下降トレンドの時に買い注文をするのが逆張りである。
- 順張り=トレンド方向に合わせた注文
- 逆張り=トレンド方向と逆方向の注文
基礎用語3:トレンド系指標
テクニカル分析で指標を利用する上でよく使われる言葉の一つに、トレンド系指標というものがある。
トレンド系とはその名の通りトレンドに関する指標のことだ。
具体的には、以下のような情報を指し示してくれるものだ。
- トレンドが発生しているか
- 上昇・下降どちらのトレンドなのか
- トレンドの勢いはどのぐらいなのか
トレンドとは勢力の強さであるため、勢力の強いトレンドに合わせてトレードをすれば初心者でも勝てる可能性が大きくなる。
そのためテクニカル分析を学ぶなら、まずはトレンド系という用語を覚えておこう。
そうすることで勝率の高いトレンドに乗ってトレードすることが可能になる。
また有名なトレンド系の指標には以下のようなものがある。
- 移動平均線:複数の時間における価格の平均をグラフ化したもの
- ボリンジャーバンド:移動平均に標準偏差を盛り込んだ帯のこと
基礎用語4:オシレーター系指標
トレンド系と一緒に覚えておきたい用語に、オシレーター系指標という言葉がある。
オシレーターとは、日本語訳すると”振り子”の意味を表す。
つまり、オシレーター系とは相場を振り子に見立て、「相場の振れ幅は一定の範囲に収まる」という観点から作られた指標だ。
そのためオシレーター系指標は、相場の買い・売りのどちらの傾向が強いのかが一目で分かる指標なのだ。
トレンド系指標だけでなくオシレーター系指標を使いこなすことも、テクニカル分析をする上で重要だ。
有名なオシレーター系指標には以下のようなものがある。
- RSI:買われすぎ売られ過ぎを視覚化したもの
- ストキャスティクス:RSI同様に買われすぎ売られ過ぎを視覚化したもの
3. 初心者にオススメのテクニカル分析手法3選
- レジサポライン
- ローソク足分析
- 移動平均線
テクニカル分析はチャートを読む技術であり、分析手法はFXで勝つための鍵となる。
その中でも、初心者にオススメなテクニカル分析手法を3点紹介する。
手法1:レジサポライン
よく使われるテクニカル分析の手法の一つに、「レジスタンスライン」「サポートライン」というものがある。
レジスタンスとは「抵抗」、サポートとは「支え」である。
つまりレジスタンスラインが抵抗、サポートラインが支えとなってレンジ相場を形成する。
レジサポラインが重要な理由は、売買ポイントが明確で初心者でも使いやすい手法だからだ。
トレードを行う際はエントリーポイントと、決済ポイントを見極める必要がある。
このレジサポラインでは、ラインと値動きの距離を基準に売買するという単純な手法なため初心者でもわかりやすい。
- 値段がラインを越えられなければトレンドが変わり、今度はもう一つのラインをめざして相場が動く。
- ラインを越えられなかった場合は、それまでのトレンドと逆方向に注文すれば勝てる確率が高い
また、レジサポラインを数度行き来した後にこのラインを越えることがあり、これを「レンジブレイク」と呼ぶ。
既存のレンジが破られることで新たなレンジの形成が始まり、それに伴って破られた方向へ値動きが大きく動く。
※レンジブレイクの際は「ダマシ」に注意
レンジブレイクが起きると相場は大きく動いて新たなレンジが形成される。
ただしその時にダマシと呼ばれる現象が発生することもある。
ダマシとは値動きのフェイントのようなもので、一瞬だけ間違った方向に相場が大きく動くことを指す。
その一瞬のブレイクに騙されて大損をしてしまう場合があるので注意が必要だ。
以下でダマシの例とその原因を解説するので、ダマシにダマされて大損しないように予め抑えておこう。
(場面1:レンジブレイク発生)
101円と102円の間でレンジが形成されていたが、101.7円になった瞬間相場が上昇し102円のラインをブレイクした。
(ダマシ発生)
ブレイクが起きたため相場は上昇すると思い、ブレイクした瞬間に買い注文をした。
だが買い注文を入れた直後に相場は大きく下降しだし、結局101円に戻った。
(ダマシによる損切り発生)
そのため102円で買ったポジションは損切りすることになった。
なぜこのように、ダマシが起きるのかというと、
場面1が起きる直前の102円で売り注文を入れた投資家は、102円より少し上に損切りポイントを設定している。
そのため、相場が102円を少し上回った時点で損切りによる買い注文が大量に発生し、相場が大きく買い方向へ動いたのだ。
これが場面1で、レンジブレイクが発生した直後大きく価格が上昇した原因だ。
だが、その買いの勢いは損切りによる一瞬であるため、勢いは強くない。
そのためすぐに大口の売り注文の勢いに負ける。
そして102円を超えた瞬間に買い注文を出しても、多くは損切りによるものであるため、売り注文を出した大口投資形に負けてしまうことがあるのだ。
その結果、ダマシが発生するのだ。
ダマシを回避するには、買い注文であれば、レジスタンスラインがサポートラインに変わったことを確認した後に、注文を入れることが重要だ。
(売り注文の場合は、サポートラインがレジスタンスラインに変わったことを確認した後に注文を入れる)
上のチャートは、レジスタンスラインがサポートラインになった例だ。
黄色で示したサポートラインをブレイクした後、サポートラインがレジスタンスラインに変わったことが赤丸で示した部分で確認できる。
サポートラインがレジスタンスラインに変わったことを確認した後に、買い注文を入れれば、
サポートラインが機能することが確認できているため、仮に下落したとしてもサポートラインで反発することが期待できる。
要するに、ダマシを回避できるということだ。
手法2:ローソク足分析
ローソク足というのはただ値動きを示しただけのものであるため、分析対象ではないと考えられることがある。
しかし実際にはローソク足こそが多くの投資家心理を表す、値動き予測の鍵となるのだ。
ローソク足には底値高値、始値終値などさまざまな値動きに関する要素が含まれている。
そのためローソク足ひとつをとっても、その形になるに至ったさまざまな投資家心理が反映されている。
そして投資家心理が値動きを決めるため、ローソク足の形から投資家心理を読み取ることは、値動きの予測に繋がる。
したがって、ローソク足が作られた経緯や隠された投資家心理を理解することで、局面に応じた値動きを理解できるようになる。
ローソク足には、「上ヒゲが相場の高値圏で出たら、上昇トレンドが下降トレンドに転換する」という傾向がある。(「下ヒゲが相場の安値圏で出たら、下降トレンドが上昇トレンドに転換する」という傾向がある)
上のチャートは、上ヒゲが相場の高値圏で出現し、上昇トレンドが下降トレンドに転換した例だ。
力強い上昇トレンドであったが、赤丸で示した上ヒゲの後に、下降トレンドに転換している。
ローソク足のヒゲに注目することにより、トレンドの転換点を予測することができるのだ。
手法3:移動平均線
移動平均線はテクニカル分析で使用される指標の中では最もポピュラーなものの一つだ。
また、初心者でも簡単に活用できる指標の一つでもある。
移動平均線にはいくつか種類がある。
しかし、基本的には複数の時間の値動きから平均値を導き出し、その平均値を結んだ線を移動平均線と呼んでいる。
移動平均線は相場の動きがどちらへ向かっているのかをはっきりと示してくれるため、トレンド方向やその強さがわかりやすい。
そのため初心者でも簡単にトレンド方向を読むことができる。
ただし移動平均線は現時点までの値の平均値によって算出される。
したがってトレンドの始まりにおいては明確にトレンドを示してくれないため注意が必要だ。
移動平均線は数本組み合わせることで、さらに相場の状況を分析しやすくすることができる。
日数については、トレーダーで採用する日数が違ってくるが、「5、15、25、50、75、200」などが代表的な日数となる。
FXにおいては、経験則で判断すると「15、50、200」の3本の移動平均線を使うのが有効である。
移動平均線は線の並び順に注意するのがポイントとなる。
例えば、移動平均線が「15、50、200」というように、チャートの上から数えて、日数の少ない順に並んでいれば上昇トレンド。
「200、50、15」というように、チャートの上から数えて、日数の多い順に並んでいれば下降トレンドという判断になる。
上のチャートは、典型的な上昇トレンドである。
上から、水色の15日移動平均線、黄色の50日移動平均線、赤の200日移動平均線が順に並んでいる。
この3本の移動平均線は、サポートラインやレジスタンスラインとして機能することも多い。
4. テクニカル分析の成功率を高める5つのコツ
- 長期と短期のトレンドを合わせる
- ボラティリティの大きさを見極める
- 決済ポイントを決めてから注文する
- 市場をまたいでトレードしない
- ダマシにダマされないようにする
テクニカル分析の手法は多数存在するが、分析手法の成功率を高めるコツも存在する。
より確実性の高い分析手法を使うだけでなく、成功率を高めるコツも使うことで更にトレードを有利に進められる。
そのためここではあなたがテクニカル分析をする上で知っておいて欲しい、成功率を高めるコツを5つ紹介する。
コツ1:長期と短期のトレンドを合わせる
テクニカル分析を用いてトレードを成功させるコツは長期トレンドと短期トレンドの波長を合わせることだ。
長期トレンドで下降トレンドの場合は、それだけ市場の売り勢力が強いことを意味する。
したがって短期トレンドでは上昇トレンドであっても、全体で見れば売り勢力の強いトレンドの中の上昇トレンドでしかない。
つまり、常に長期トレンドの方向に従う方が、より強大な勢力に乗ってトレードすることができる。
強大な勢力に乗るほうが、トレードは成功しやすい。
そのため、長期トレンドと短期トレンドの方向を合わせたトレードを心がけると成功率を高められるのだ。
- 相場は勢いの強い方が勝つ
=強い勢力に乗ったほうが稼げる
- 長期でも短期でも同じ方向の勢力は強い勢力である確率が高い
=長期短期を合わせると稼げる確率が高まる
短期トレンドと長期トレンドの設定期間については、一般的に「短期が1分足なら長期が15分足」、「短期が5分足なら長期が1時間足」、「短期が15分足なら長期が4時間足」、「短期が4時間足なら長期が週足」となる。
大体の目安ではあるが、短期の約15倍が長期になると覚えておけばよいだろう。
コツ2:ボラティリティの大きさを見極める
ボラティリティとは値動きの変動率のことだ。
この変動率は時間帯や通貨によって異なるが、変動率が小さいと利益を確保できるだけの値動きにならないことが多い。
そのため変動率が高い時間帯や通貨でトレードするようにする必要がある。
ただし変動率が高すぎてもトレードは危険だ。
したがって経済情勢などの影響で相場が不安定なときはトレードを控えるようにしよう。
コツ3:決済ポイントを決めてから注文する
トレードをする際に決済ポイントを決めておく必要がある。
なぜなら、決済ポイントを決めていないトレードは、その場の流れに乗ったギャンブルであるため勝率が低くなってしまう。
また人間の心理上、損が出続けているポジションでも「いつか好転する」と信じて持ち続けたために損切りされることも少なくない。
そのため注文をする際には、予めどのような状況や価格になれば手放すのかを決めておく必要がある。
コツ4:市場をまたいでトレードをしない
テクニカル分析を用いる際に気をつけたいのは市場をまたがないことだ。
市場のトレンドや勢力の強さは開いている市場によって異なる。
そのため異なった市場が開いている時にトレードを持ち越すと、予測した方向とトレンドが逆転する可能性がある。
またボラティリティが低くなることでトレードを有利に進めにくくなることもある。
そのため決まった市場時間中に注文と決済を終わらせる事を意識しよう。
ただし、デイトレードやスウィングトレードの場合は市場時間はそれほど気にする必要はない。
- オセアニア時間:7時から15時
- 東京時間:9時から17時
- ロンドン時間:17時から深夜1時
- ニューヨーク時間:22時から翌6時
コツ5:ダマシにダマされないようにする
ダマシとは、トレンドサインとは真逆の方向に相場が動く事を指す。
ダマシでは多くの投資家たちが資金を持っていかれ、勝ち組に利用されることとなる。
ローソク足の突出したヒゲなどは、ダマシによって資金を取られた悲しい投資家たちの足跡だ。
レジサポラインをブレイクした時のダマシや、トレンド転換のダマシなどダマシのパターンは多く存在する。
ダマシを回避するために以下の2点に気をつけてトレードを心がけたい。
- レジサポラインが強く意識されているかどうか
- 長期と短期のトレンドが同じかどうか
5. テクニカル指標を組み合わせると精度が上がる
テクニカル指標にはトレンド系やオシレータ系などの種類があり、それぞれ弱み強みがある。
ただし異なる種類の指標を組み合わせることでそれぞれの弱点を補うことができる。
その結果売買シグナルの頻度は減ることになるが、各売買シグナルの精度が高まるのである。
例えば移動平均線はトレンドに強く、動き出しに弱い。
そこでRSIというオシレーター系指標を用いることで階杉売られすぎを読み取り、トレンドを先取りする動きが可能になる。
そのため特に違う種類のテクニカル指標を組み合わせる手法は回数が減る分精度が高まるという大きなメリットがある。
まとめ|まずは専門書で本格的に勉強しよう!
この記事では初心者でもできるテクニカル分析と、成功率を高めるコツについて紹介した。
しかしテクニカル分析を極めるためには、テクニカル分析について書かれた専門書による知識のインプットが必要不可欠だ。
そのため次の段階へ進むためには、FXについて書かれた書籍をまとめた以下の記事を参考にしていただきたい。
この記事の監修者
- 投資歴15年
- プロFXトレーダー
- 金融ライター(ランサーズ認定ライター)
- Forex.com社で開催のFXコンテスト優勝経験有り