- FX投資のルールはどうやって決めたらいいの?
- FX投資にルールがなぜ必要なの?
- FX投資におけるルール作りの注意点は?
FX投資で利益を上げ続けるためには、必ずルールが必要となる。
なぜなら、FX投資はアドリブで取引して利益を出せるほど甘くはないからだ。
FX投資を始める人は大変多いが、その9割以上が最初からアドリブで取引を行ってしまい、ただのギャンブルで終わっている。
堅実にFXで成果を出している人に共通するのは、相場や感情に流されないように、定めたルールに従って取引を行っているからに他ならない。
本記事ではFX投資における、勝率を高めるためのルールの決め方や、その重要性に関して分かりやすく解説している。
最後まで読んで頂くことで、FX投資におけるルールの重要性に気づくはずだ。
- FX投資では取引ルールを定めないことには勝てない
- ルールを決める際には4つの要素を意識する
- FX初心者ほど取引ルールは厳守すること
1.FX投資におけるルールとは?失敗する主な原因
FX投資では実際に取引を行っている約9割の人が損失を出しており、その主な原因としては3つが挙げられる。
- 損切りができなかった
- 根拠のないトレードを行なった
- 損切りのタイミングが早すぎた
特にFXでは”損切り”ができない人が大半を占めており、素人が一番陥りやすい。
“損切り”とは損を承知で決済を終えることだが、どうしても取引を行っている最中は損切りができずに、ズルズルと損が拡大していくケースが多い。
仮に最初からルールに従って取引を行っていれば、キリよく損切りができるものだが、
ルールもなくアドリブで取引を行っているとどうしても感情に流されやすくなる。
「もう少し待てば、また戻るかも知れない…。もう少しだけ…。」
と思ってしまい、損切りが遅くなり結果的に資金を溶かした、というケースはよくある話だ。
2.FX投資でルールを決めない3つのデメリット
FX投資では取引を実際に行う前に、しっかりとルールを定める必要性がある。
ルールを定めずに取引を行ってしまうと、手法に再現性がなくなり、毎回ギャンブルのような取引になりかねない。
あくまでもFX投資はルールを定め、データを元に分析し、堅実に利益を狙って取り組むものだ。
間違っても競馬やパチンコのような、ときの運に任せた賭け事ではないことを覚えておこう。
2-1.感情に左右されてしまう
FX投資はプロのトレーダーでさえ、継続して勝つのが難しい世界だ。
コンピュータのように機械的にトレードできれば問題ないが、どうしても人間は感情に流されやすいため、
ルールが定まっていないとメンタルの浮き沈みに影響されやすい。
そのため、多くの人が感情に流されて損切りのタイミングが遅れたり、間違ったタイミングでエントリーしてしまったりする。
そもそも相場を予測する事が自体が素人にはとても難しいため、予めルールを定めておくことで、感情を排除した取引を行い損失を防ぐ事ができる訳だ。
2-2.取引に再現性がなくなる
FX投資は勝ち負けを繰り返しながら、総合的に資産を増やすのが主な目的となる。
そのため、継続して総合的に資産を増やすためには、取引自体に再現性がないと、必ず最終的には損失を被る確率が高くなってしまう。
統計的に勝てる見込みが高い、取引の手法がルール化されていないと、長期的にみてFX投資で勝つのは難しい。
仮にルールがない状態でFX投資で勝ったとしても、それはただの偶然に過ぎない。
逆に、ルールに従ってFX投資で勝つことができた場合は、次も同じようなパターンがくれば、同じ手法で勝てる見込みが高いということになる。
つまり、再現性があるということだ。
2-3.データ分析を行う意味がない
最近のFX投資では取引に関するデータを、細かく確認できるようになっている。
- 勝率
- トレード頻度
- リスクリワードレシオ:勝ちトレードの平均利益と負けトレードの平均損失の比率
- プロフィットセンター:総利益 ÷ 総損失(1以上でトータル収支がプラス)
そのため、ルールに従った取引を行っている人は、毎回蓄積されたデータを参考に改善しながら、勝率を高めることができるという訳だ。
逆に、最初から取引におけるルールも定めずに、アドリブだけでFX投資を行っている人は、
いくらデータを集めたとしても再現性がないため意味がない。
3.FX投資でルールを守れない人の失敗例
FX投資をこれから始めようかと考えている人は、先駆者の失敗例は必ず視聴して欲しい。
実際にFXを行っている人が、どのようなことで失敗しているのか、またどのような事が原因だったのかを知ることは大変勉強になるからだ。
とはいえ、結論からいうとほとんどの人が、“損切り”のタイミングを間違ってしまい、大きな損失を出しているケースがやはり多い。
3-1.証拠金枯渇で売買停止
彼女は自動売買システムを活用して取引を行っていたみたいだが、損切りがうまくできずに証拠金が枯渇してしまい、資金を動かせなくなったみたいだ。
自動取引システムを活用する際には、中長期を乗り切るためのある程度まとまった資金が必要となるため、
証拠金が少なすぎるとこのような事態になりかねない。
3-2.リーマンショックで1,000万円を溶かす主婦
2008年9月に起きたリーマンショックを覚えているだろうか。
当時は主婦の間でもFX投資をやる人が多かったようだが、リーマンショックにより損切りが間に合わずに、1,000万円の証拠金を失ったらしい。
原因としては損切りせずに、ダラダラとポジションを持ち続けた事が挙げられる。
素人が相場を下手に予測しようとした、末路とも言えるだろう。
3-3.FX投資で失敗し23歳でホームレス生活
大学生でFX投資を始める人は、意外に大変多い。
若気の至りで高いレバレッジをかけ過ぎると、その後の将来にも悪影響を及ぼしかねない程のダメージが、残りかねないので注意して欲しい。
特に大学生はお金がない不安から、無謀な取引を行う可能性が高いからだ。
3-4.損切りができずにFX投資で100万円を失う
彼女は専業トレーダーらしいが、FX投資でなかなか損切りができずに、最終的には100万円の損失を出した。
一度、含み損になってしまうと、FXではなかなか損切りする勇気が出ない。
最初から定めたルールに従って取引を行っていれば機械的に損切りができるが、
アドリブで取引を行っている人の多くは、ダラダラと含み損を拡大しやすいので注意して欲しい。
4.FX投資のルール作りに欠かせない4要素
FX投資では入り口と出入り口が決まっていることが、手法の条件となる。
そのため、明確なルール作りには環境を認識し定義を定めた上で、エントリーのタイミングとその後の出口戦略が、とても重要になってくる。
また、ルールを定めた上で他人に自身の手法を具体的に説明できれば、再現性のある手法であると言えるだろう。
4-1.環境の認識
FX投資においては今現在の相場が上がっているのか、下がっているのか、
そのどちらでもないのかを判断するために、最初に流れを定義しておく必要がある。
理由としてはFX投資は現状の環境を判断して、上昇している相場であれば買い、下降している相場であれば売りなどと環境に合わせて取引するからだ。
現状の流れを定義できないうちは、まだまだ勉強不足だと言えるだろう。
4-2.エントリーのタイミング
FX投資においてエントリーのタイミングは、環境に合わせて確かな理由を持った上で行うべきだ。
逆に、理由もなくなんとなくエントリーして、ポジションを持ったとしても全く再現性がない上に、勝ってもただの偶然で終わってしまう。
そのため、「どのような環境になればポジションを持って良いのか?」に関して、しっかりとルールを定めることが重要となる。
4-3.2通りのシナリオ構築
FX投資では”エントリー”の仕方は一通りしかないが、”決済”に関しては二通りのやり方がある。
- 利益確定
- 損切り
予想通り価格が動いた場合に利益を確定する時のルールと、損失を出してしまった場合の損切りを行うタイミングを図るルールの二つが必要という訳だ。
実行するための決済の条件は、ルール作りの中でも特に重要な項目なので慎重に決めて欲しい。
4-4.他人に説明できるか
ルールを定めた後は、手法を素人でも理解できるくらい説明できるかが問われる。
なぜなら、そもそも言語化できないようなルールは、自身でも理解していない場合が多いからだ。
例えばプロに教えられたルールを採用して取引を行う場合、大半がルールを十分に理解していないケースが多い。
同じルールでやっていても負ける人と勝てる人に分かれるのは、ルールをしっかりと理解できているかいないかが、主な要因となっているからだ。
5.FX投資のシンプルなルールの決め方【簡単4ステップ】
FX投資におけるルールと聞くと、個人で考えるのは難しいのではないかと、感じる人もいるだろう。
しかし、実際には4つのシンプルステップで、簡単にルールを定める事ができる。
野球やサッカーでも選手がプレー中に怪我をしないように、ルールが定めてあると言っても過言ではない。
FX投資でも同じで無駄な怪我をしないでいいように、しっかりと最初にルールを定めておくことが大切だ。
5-1.トレードを行う時間軸を決める
FX投資におけるルールを決める際には、最初にトレードの時間軸を決めなければならない。
ここでいう”時間軸”とは、チャートソフト(TradingViewなど)で選択できる時間軸のことである。
分析ツールとして欠かせないチャートソフトは、分足であれば1分間、日足なら1日の値動きを示すようになっている。
最初に時間軸を定める理由としては、後で時間軸を自分の都合だけで変えないようにするためだ。
時間軸を頻繁に変えてしまうと、損切りのタイミングが分からなくなるため注意して欲しい。
5-2.トレンドとレンジを判断する定義を定める
FX投資には大きく分けて、2つの相場がある。
- トレンド相場:値動きがトレンドに沿って、上昇もしくは下降していく動きを指す
- レンジ相場:値動きが一定の範囲内で上下する動きを指す
今の相場がどちらの動きをしているかをしっかりと認識し、どのような張り方をするのかが問われる訳だ。
基本的にはトレンド相場の場合は”順張り”が有効となり、逆にレンジ相場の場合は”逆張り”が有効となる。
トレンド相場とレンジ相場では全く取る戦略が異なるため、両者をしっかりと判断できる定義が、ルールには必要となる訳だ。
5-3.テクニカル指標とチャート分析を参考に条件を決める
FX投資には、主に2つの分析手法がある。
- テクニカル分析(またはチャート分析):過去の価格推移から、将来の値動きを考察する
- ファンダメンタルズ分析:経済に関連する様々な情報から、将来の値動きを考察する
テクニカル分析とは、チャート分析とも呼ばれる分析手法であり、過去の価格推移から現在の値動きを考察するやり方だ。
対して、ファンダメンタルズ分析は、経済に関する様々な情報から価格にどのような影響を与えるのかを考えて、
将来の値動きを考察する分析手法である。
中でも、①のテクニカル分析はとても重要であり、FX投資には欠かせない分析手法だ。
5-4.やらないルールを作る(ポジポジ病予防)
FX投資は平日であれば、24時間いつでも取引が可能となっている。
トレーダーの中には24時間いつでもエントリーができることから、いつまでもダラダラと長時間、取引を行う人も少なくない。
エントリーの回数があまりにも多い状態のことを、FX業界では”ポジポジ病”と呼んだりもする。
ポジポジ病にならないで良いようにするためには、予め無駄なエントリーをしないで良いような、ルールが必要という訳だ。
6.FX投資のルール作りにおける2つの注意点
- 利益と損失のバランスを保つ
- 取引1回の損失を全資金の2%以内に抑える
FX投資は簡単にいうと価格が上がるか下がるかの2択なので、極論2分の1の確率で予測を当てる事ができる。
そのため、相場の上がり下がりを当てるだけであれば、小学生でも可能だ。
しかし、相場の上げ下げの予測だけでは、FXでお金を増やすことはできない。なぜなら、資金管理の要素が配慮されていないからだ。
6-1.利益と損失のバランスを保つ
FX投資は上がるか下がるのかの2択なのに、最終的に資金を減らしてしまう人が多いのは、利益と損失のバランスが崩れている事が原因として挙げられる。
仮に適当なタイミングで買い、利益確定が10pips、損切りが100pipsの取引手法を採用したとしよう。
利益確定は頻繁に行われるため、すぐに勝率は上がることだろう。
しかし、強い下降トレンドが発生してしまった時に、100pipsの損切りが決済されてしまえば、それまで積み上げてきた10回分の利益は全て消滅してしまう。
例に挙げたような取引手法だと、利益と損失のバランスが取れておらず、FX投資で利益を増やすのは大変難しいと分かるはずだ。
優位性のある取引手法を構築するためにも、しっかりと利益と損失のバランスまで考えて、ルールを作るようにして欲しい。
6-3.取引1回の損失を全資金の2%程度に抑える
FX投資ではどれだけ優れた取引手法でも、必ず一時的な連敗や不調が訪れる。
連敗が続いているにも関わらず、ルールに従っているからといってそのまま取引を続けていては、資産を大きく減らしかねない。
そのため、対処方法として取引1回の損失を全資金の2%程度に抑えるという、上限を設けることが大切になってくる。
例えば資金が10万円であるならば、1回の損切りは2%に当たる2,000円が上限となる。
資金管理をするためにも、最初にどのくらいの損失が出たら取引を辞めるかという目安が必要という訳だ。
7.FX投資のルール決定後はデータ分析と検証を徹底する
FX投資で取引ルールを定める際に、いきなり実資金を活用して取引を行うのはおすすめしない。
基本的には定めたルールの有効性を高めるためにも、まずはデモトレードでデータを蓄積し、その後実資金で実際に取引を行うのが良い方法だ。
- 検証・データ分析
- デモトレード
- 実資金でトレード
FX投資では過去の相場で起こった値動きが、その後も何度も繰り返されている傾向にあるため、将来的に同じような値動きが期待できる。
そのため、検証ツール(ストラテジーテスターやフォレックステスターなど)を活用し、
バックテストを行いながら、取引手法をブラッシュアップするのが良いだろう。
8.FX投資のルールに関するよくあるQ&A
FX投資のルールに関する多くの質問や疑問の中から、特に多かった内容だけに絞って、分かりやすく回答をまとめてみた。
これからFX投資を始めようかと検討されている人は、参考にして欲しい。
また、取り上げていない内容で気になる事がある人は、自身でしっかりと納得がいくまで調べた上で、実際にFX投資を行うことをおすすめする。
結論から言うとFX投資では、ルールを絶対に守れば勝てるというほど、簡単なものではない。
なぜなら、既にネット上にはプロも実践している取引手法が多く出回ってはずなのに対し、実際に取引を行っている人の約9割が資金を失っている。
短期的に勝てても中・長期で見た場合、資金を大きく減らしている人が大半なため、どれだけ優れたルールがあっても必ずしも勝てるとは限らないと言える。
FX投資に関する参考本は、書店などでは大変多く販売されている。
書店に並んでいる参考本の筆者であるプロのトレーダーは、それぞれが勝ちパターンを持っているといっても過言ではない。
素人が独学で取引ルールを定めて、実資金で実際に取引を行うのは無謀なので、まずは参考書などを最低でも3冊以上は買って読んで欲しい。
その中で自身が気になった取引手法を試しながら、自分自身で勝ちパターンを少しづつ掴んでいくと良いだろう。
FX初心者であればまずは4つの項目を抑えた上で、自身に適したルールを採用して欲しい。
- トレードを行う時間軸を決める
- トレンドとレンジを判断する定義を定める
- テクニカル指標とチャート分析を参考に条件を決める
- やらないルールを作る(ポジポジ病予防)
加えて、資金管理も怠らないように注意することはもちろんのこと、最初から実資金で取引せずに、まずはデモトレードで取引に慣れる事が重要だ。
現在は多くのプロFXトレーダーが、インターネットで情報発信を行なっているが、初心者であればまずは書店に並んでいる参考書から学ぶのが良いだろう。
理由としては、ネット上には嘘の情報も多く出回っており、初心者はすぐにカモにされやすいからだ。
実際にネットで高額な情報商材を購入してしまい、後悔したFX初心者も少なくない。
まとめ|FX投資はルールを守れないと負ける
FX投資における取引ルールの重要性に関して、分かりやすく解説してきた。
ルールを定めておかなければいけない理由としては、主に3つご紹介した。
- 感情に左右されてしまう
- 取引に再現性がなくなる
- データ分析を行う意味がない
また、特にFX初心者に限ってアドリブで取引しがちなので、ルールの重要性に関してしっかりと最初に、認識しておく事が大切だと言えるだろう。
合わせて投資はあくまでも自己責任なので、無理のない範囲で行うように心がけよう。